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お菓子作りが変わる!製菓器具の基本と選び方

「レシピ通りに作っているはずなのに、なぜかお店みたいに上手くいかない…」お菓子作りで、そんな風に感じた経験はありませんか?もしかしたら、その原因は「製菓器具」にあるのかもしれません。美味しいお菓子を作るためには、良い材料と正しいレシピ、そして、それぞれの工程に合った適切な「道具」が不可欠なんです。

でも、いざ製菓器具を揃えようと思っても、「種類が多すぎて何から買えばいいかわからない!」「素材によって何が違うの?」「高いものを買わないとダメ?」なんて、疑問だらけになっちゃいますよね。わかります、その気持ち!

この記事では、特定の商品をおすすめしたり、ランキング形式で紹介したりすることは一切しません。そうではなく、純粋に「製菓器具にはどんな種類があるのか」「自分に合った器具を選ぶためのポイント」「大切な器具を長持ちさせるお手入れの方法」といった、お菓子作りがもっと楽しく、もっと上手になるための「知識」を、これでもか!というくらい、たっぷりと詰め込みました。

これからお菓子作りを始めたい初心者さんはもちろん、「道具にはあまりこだわってこなかったかも…」という経験者さんまで、きっと新しい発見があるはずです。さあ、一緒に奥深くて面白い、製菓器具の世界を探検しに出かけましょう!

  1. これがないと始まらない!まずは揃えたい基本の製菓器具
    1. ボウル
    2. 泡立て器(ホイッパー)
    3. ゴムベラ(スパチュラ)
    4. めん棒
    5. 刷毛(ハケ)
    6. カード(スケッパー、ドレッジ)
  2. お菓子作りの心臓部!正確さが命の「計量器具」
    1. キッチンスケール(はかり)
    2. 計量カップ
    3. 計量スプーン
  3. 美味しい生地はここから!「混ぜる・こねる」専門器具
    1. ハンドミキサー
    2. 粉ふるい
    3. 木べら
  4. 見た目と食感を決める!「成形・型」の器具たち
    1. お菓子の型(全般)
    2. 抜き型
    3. 絞り袋と口金
  5. オーブンだけじゃない!「焼く・冷ます」を支える名脇役
    1. オーブンシート(ベーキングシート)
    2. ケーキクーラー(網)
  6. 最後の仕上げに魔法をかける!デコレーション器具
    1. 回転台
    2. パレットナイフ
    3. 粉糖ふり
  7. あると世界が広がる!ワンランクアップの製菓器具
    1. 温度計
    2. タルトストーン(パイウェイト)
    3. ハンドブレンダー
    4. シーラー
  8. 後悔しないために知っておきたい!製菓器具の「選び方」
    1. 「素材」ごとの特徴を理解する
    2. 「作る量」と「収納場所」を考える
    3. 「お手入れのしやすさ」は意外と重要
  9. 大切な相棒を長持ちさせる!器具のお手入れと保管方法
    1. 基本は「使ったら、すぐ洗う」
    2. 素材別・お手入れの注意点
    3. スッキリ長持ち!保管のコツ
  10. これでスッキリ!製菓器具に関する「よくある質問」
      1. Q. お菓子作り初心者です。結局、何から揃えればいいですか?
      2. Q. 高い器具と安い器具、何が違うんですか?
      3. Q. 型に敷く紙、オーブンシートとクッキングシート、どう使い分ける?
      4. Q. 型の「空焼き」や「シーズニング」って、やらないとダメ?
  11. まとめ

これがないと始まらない!まずは揃えたい基本の製菓器具

数ある製菓器具の中でも、「これだけは持っておきたい!」という、基本中の基本となるアイテムをご紹介します。野球でいうグローブとバット、サッカーでいうボールのような存在。まずはここから揃えてみましょう。

ボウル

材料を混ぜたり、ふるったり、湯煎にかけたりと、お菓子作りのあらゆるシーンで登場する超重要アイテム、それがボウルです。サイズ違いで2〜3個あると、作業がぐっとスムーズになりますよ。素材にもいくつか種類があり、それぞれに特徴があります。

  • ステンレス製
    軽くて丈夫、そして錆びにくいのが最大のメリット。熱伝導が良いので、湯煎でチョコレートを溶かしたり、逆に氷水で冷やしたりする作業にも向いています。ただし、ハンドミキサーを使うと金属同士が擦れて黒っぽい粉が出ることがあるので、注意が必要です。
  • ガラス製
    中身が見えるので、生地の混ざり具合を確認しやすいのが嬉しいポイント。匂い移りや色移りがしにくく、衛生的です。耐熱ガラス製のものなら、そのまま電子レンジで加熱することも可能。重さがあり、安定感がありますが、落とすと割れてしまうので取り扱いには注意しましょう。
  • プラスチック製
    軽くて扱いやすく、安価なものが多いのが魅力。電子レンジ対応のものもあります。ただ、油汚れが落ちにくかったり、傷がつきやすかったりする側面も。特に、傷に生地が入り込むと衛生的にあまり良くないので、バターを多く使うお菓子などには、ステンレスやガラス製の方が向いているかもしれません。

選ぶ時のポイントは、「深さ」です。浅いボウルだと、ハンドミキサーを使った時にクリームなどが飛び散りやすくなります。少し深さのある、丸みを帯びた形のものが混ぜやすく、おすすめです。

泡立て器(ホイッパー)

卵白を泡立ててメレンゲを作ったり、生クリームを泡立てたり、粉類を混ぜ合わせたりと、生地に空気を含ませる作業には欠かせません。これもまた、お菓子作りの代表的な器具ですね。

泡立て器と一言でいっても、ワイヤーの数や硬さ、全体の大きさによって、得意な作業が異なります。ワイヤーの数が多くてしなやかなものは、きめ細かい泡を立てるのが得意。逆に、ワイヤーが少なく硬いものは、粘度の高い生地を混ぜるのに向いています。最初は、バランスの取れた標準的なタイプを1本持っておくと良いでしょう。柄とワイヤーの接続部分がしっかりしていて、洗いやすい構造のものを選ぶと、長く清潔に使えます。

ゴムベラ(スパチュラ)

ボウルに残った生地をきれいに集めたり、材料を「さっくり」と混ぜ合わせたり、生地を型に流し込んだり…。ゴムベラがあるのとないのとでは、材料のロスも、作業のしやすさも大違い!地味に見えて、実はプロの現場でも大活躍する働き者です。

選ぶなら、柄とヘラが一体成型になっているシリコン製のものがおすすめです。つなぎ目がないので洗いやすく、雑菌が繁殖しにくいので衛生的。また、耐熱性の高いものを選んでおくと、熱いチョコレートやカスタードクリームを混ぜるのにも使えて、活用の幅がぐっと広がります。ヘラの「しなり」具合も重要で、適度な弾力があるものが、ボウルの側面にきれいにフィットしてくれますよ。

めん棒

クッキーやタルト、パイ生地などを均一な厚さにのばすための道具です。これも様々な素材があります。

  • 木製
    最も一般的で、手になじみやすいのが特徴。適度な重さがあり、生地をのばしやすいです。使用後はしっかり乾燥させないと、カビの原因になるので注意しましょう。
  • 大理石製・ステンレス製
    ひんやりとしているので、バターを多く使ったデリケートな生地を扱うのに最適です。生地がだれにくく、スムーズに作業できます。重さがあるので、力を入れなくても均一にのばしやすいですが、その分、腕は少し疲れるかもしれません。
  • ガス抜きめん棒
    表面がデコボコしているのが特徴のめん棒。パン生地などのガスを抜きながら、均一にのばすことができます。

クッキー生地などを均一の厚さにのばしたい時は、めん棒の両端に同じ厚さの板(ルーラー)を置くと、誰でも簡単にプロのような仕上がりになりますよ。

刷毛(ハケ)

焼き色をきれいにつけるために卵液を塗ったり、焼きあがったケーキにシロップを打ったり、型にバターや油を塗ったりと、細かい作業でその真価を発揮します。あると仕上がりが一段と美しくなります。

毛の素材は、ナイロン製、シリコン製、動物の毛(山羊毛など)が主流です。ナイロン製は手頃で扱いやすく、シリコン製は毛が抜けず、洗いやすくて衛生的。動物の毛は液体をよく含むので、たっぷりとシロップを打ちたい時などに便利です。最初は扱いやすいシリコン製あたりから試してみるのが良いかもしれません。

カード(スケッパー、ドレッジ)

「カード」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、パン作りをする人にはお馴染みの道具。プラスチックやステンレスでできた、手のひらサイズの板のことです。

  • 硬いタイプ(ステンレス製など)
    「スケッパー」とも呼ばれます。パン生地を分割したり、作業台にこびりついた生地をこそげ取ったりするのに使います。
  • 柔らかいタイプ(プラスチック製)
    「ドレッジ」とも呼ばれます。ボウルについた生地をきれいに集めたり、クリームをナッペ(塗る作業)する際に表面をならしたりするのに使います。ゴムベラよりも広い面で集められるので、非常に効率的です。

一度使うと「なんでもっと早く使わなかったんだろう!」と思うこと間違いなしの便利アイテム。価格も手頃なものが多いので、ぜひ一つ持っておくことをおすすめします。

お菓子作りの心臓部!正確さが命の「計量器具」

お菓子作りは科学実験に似ている、とよく言われます。材料の分量をきっちり正確に計ることが、成功への何よりの近道。ここでは、お菓子作りの土台を支える、計量器具について見ていきましょう。

キッチンスケール(はかり)

お菓子作りにおいて、最も重要と言っても過言ではない道具です。もし、まだ持っていないなら、何をおいてもまず最初に手に入れてほしいアイテム。なぜなら、レシピに書かれている「小麦粉 100g」と「小麦粉 1カップ」では、その精度が全く違うからです。

粉類は、その日の湿度や詰め方によって、同じ1カップでも重さが大きく変わってしまいます。このわずかな差が、スポンジの膨らみ具合やクッキーの食感を左右する大きな要因になるのです。バターや砂糖、液体類も、すべて重さ(g)で計るのが基本。これがお菓子作りの成功率を格段にアップさせる秘訣です。

選ぶ際は、最低でも1g単位、できれば0.1g単位まで計れるデジタルスケールがおすすめです。特に、イーストやベーキングパウダーなど、少量でも仕上がりに大きく影響するものを計る際には、0.1g単位の精度が求められます。また、ボウルなどを乗せた後に表示を0にできる「風袋引き(TARE)機能」が付いているものが必須です。この機能があれば、材料を順番に同じボウルに計り入れていくことができ、洗い物が減ってとっても楽ちんですよ。

計量カップ

「スケールが重要なら、計量カップは要らないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。レシピによっては「水 200ml」のように体積で表記されている場合もありますし、牛乳やお酒などを大まかに計る際には便利です。

選ぶなら、透明で、横からだけでなく上からも目盛りが見やすいタイプがおすすめです。液体を注ぎながら、腰をかがめて横から目盛りを確認するのって、意外と面倒なもの。上から覗き込むだけで正確に計れるものは、作業のストレスを減らしてくれます。ガラス製や、傷がつきにくいトライタン樹脂製などが人気です。

計量スプーン

ベーキングパウダー、塩、スパイス、リキュールなど、ごく少量の材料を計る際に活躍します。大さじ(15ml)、小さじ(5ml)、そしてあると便利なのが小さじ1/2(2.5ml)のスプーンです。

計る時のポイントは、必ず「すりきり」で計ること。粉類なら山盛りにすくった後、カードやナイフの背などで平らにならします。液体なら、表面張力で盛り上がらない、ギリギリのラインまで注ぎます。この一手間が、安定した美味しさに繋がります。ステンレス製で、柄の部分に容量が刻印されているものが、長持ちするのでおすすめです。

美味しい生地はここから!「混ぜる・こねる」専門器具

生地作りの工程は、お菓子の骨格を作る大切な部分。手作業でももちろん可能ですが、文明の利器を借りることで、時間と労力を大幅にカットでき、仕上がりもワンランクアップします。

ハンドミキサー

共立てのスポンジ生地作りや、メレンゲ、生クリームの泡立てなど、手動の泡立て器では時間と体力がかかる作業を、あっという間にこなしてくれる頼もしい相棒です。特に、卵を泡立てる作業は、ここでしっかりと空気を含ませることができるかどうかで、生地の膨らみが決まります。

選ぶ際は、スピードの調節機能が複数段階あるものが良いでしょう。最初は低速でキメを整え、次に高速で一気に泡立て、最後はまた低速でキメを細かく仕上げる、といった使い分けが可能です。また、ビーター(羽)の形状にも注目。ワイヤーが細く、本数が多いものの方が、効率よく空気を抱き込み、きめ細かい泡を作ることができます。使用後のビーターの洗いやすさもチェックしておきたいポイントですね。

粉ふるい

小麦粉などの粉類をふるうことで、ダマを取り除き、粉に空気を含ませるという重要な役割があります。この工程を丁寧に行うことで、粉が他の材料と均一に混ざりやすくなり、ケーキはふんわり、クッキーはサックリとした食感に仕上がります。

粉ふるいには、昔ながらの網をゆすって使うタイプ、片手でハンドルをカシャカシャと握って使うタイプ、横のハンドルをくるくる回すタイプなどがあります。一度にたくさんの粉をふるうなら、ハンドルを回すシフタータイプが効率的。少量なら、片手タイプや、もっと手軽に茶こしなどで代用することも可能です。泡立て器でぐるぐると混ぜるだけでも、ある程度ダマをなくす効果はありますが、やはり専用のふるいを使った方が、仕上がりの軽やかさは格段にアップします。

木べら

「ゴムベラと何が違うの?」と思われるかもしれませんが、木べらは特に「加熱しながら混ぜる」作業で真価を発揮します。例えば、鍋でカスタードクリームを炊いたり、ジャムを煮詰めたりする時。ゴムベラ(耐熱性の低いもの)だと溶けてしまう可能性がありますが、木べらならその心配がありません。

また、適度な硬さがあるので、鍋底に材料が焦げ付かないように、しっかりと混ぜることができます。ステンレス製の器具と違って、鍋の表面を傷つけにくいのも嬉しいポイント。一つ持っていると、お菓子作りだけでなく、普段の料理にも活用できますよ。

見た目と食感を決める!「成形・型」の器具たち

どんなに美味しい生地ができても、最終的な形が決まらなければお菓子は完成しません。ここでは、お菓子に命を吹き込む、様々な「型」とその仲間たちをご紹介します。

お菓子の型(全般)

パウンドケーキ型、マフィン型、シフォンケーキ型、タルト型、クグロフ型…。作りたいお菓子に合わせて、実に多種多様な型が存在します。そして、同じ種類の型でも、素材によって熱の伝わり方が異なり、それが焼き上がりを大きく左右するのです。

表で素材ごとの特徴を見てみましょう。

素材 熱伝導 特徴 向いているお菓子
アルミ 非常に良い 熱が均一に伝わりやすい。軽い。酸に弱い。 シフォンケーキ、スポンジケーキ
ブリキ 良い 熱伝導が良く、きれいな焼き色がつきやすい。錆びやすいので手入れに注意。 カヌレ、マドレーヌ
ステンレス 普通 丈夫で錆びにくく、衛生的。熱伝導はアルミに劣る。 プリン、ゼリー(冷菓)、焼き菓子全般
シリコン 悪い 型離れが抜群に良い。柔らかい。焼き色がつきにくい。 焼き菓子、冷菓、チョコレート
ガラス 悪い 匂い移りしにくい。オーブン・レンジ可のものが多い。焼きムラが出やすい。 プリン、チーズケーキ、グラタン
使い捨てで手軽。プレゼントに最適。熱伝導は素材による。 マフィン、パウンドケーキ、シフォンケーキ

初心者のうちは、比較的扱いやすく、様々なレシピで使われることが多いアルミ製やフッ素樹脂加工された金属製の型から試してみるのがおすすめです。また、レシピで指定されているサイズと違う型を使う場合は注意が必要。生地の量に対して型が大きすぎると火が通りすぎてパサパサに、小さすぎると生地があふれたり、生焼けになったりします。型の容積を計算して、生地量を調整するなどの工夫が必要になります。

抜き型

クッキー生地を様々な形にくり抜くための道具。星やハートといった定番の形から、動物、乗り物、季節のモチーフまで、見ているだけでも楽しくなるような、たくさんの種類があります。ステンレス製が一般的ですが、お子さんと一緒に使うなら、安全なプラスチック製も良いでしょう。複雑な形のものは、生地が詰まってしまわないように、使う前にしっかりと打ち粉(強力粉)をはたくのがきれいに抜くコツです。

絞り袋と口金

デコレーションの主役!生クリームやメレンゲ、シュー生地などを、美しい形に絞り出すための道具です。これらを使いこなせると、お菓子のクオリティが見違えるようにアップします。

  • 絞り袋
    洗って繰り返し使える布製やシリコン製のものと、使い捨てのポリエチレン製があります。衛生面や手軽さを考えると、最初は使い捨てタイプがおすすめです。サイズも色々あるので、絞るクリームの量に合わせて選びましょう。
  • 口金
    絞り出すクリームの形を決める金属製のパーツです。丸、星、バラ、葉っぱ、モンブラン用など、その種類はまさに無限大。まずは、デコレーションケーキの縁取りやショートケーキの飾りに使える星口金と、シュークリームやエクレアに使える丸口金があれば、基本的なデコレーションは楽しめます。口金と絞り袋の間に「カプラー」という部品を付けると、袋の中身はそのままで口金だけを交換できるので便利ですよ。

オーブンだけじゃない!「焼く・冷ます」を支える名脇役

オーブンで焼く、ただそれだけでも奥が深いですが、その前後にも仕上がりを良くするための大切な工程と、それを助ける器具があります。

オーブンシート(ベーキングシート)

天板に敷いて、その上にクッキー生地などを乗せて焼くためのシートです。使い捨ての「クッキングシート」とよく似ていますが、オーブンシートはグラスファイバーなどにフッ素樹脂加工がされており、洗って繰り返し使えるのが最大の特徴。生地がくっつくのを防ぎ、天板を汚さずに済みます。

繰り返し使えるので経済的なのはもちろん、紙のクッキングシートよりも厚手でしっかりしているため、熱が均一に伝わりやすく、クッキーの裏がきれいに焼けるというメリットもあります。一度使うと手放せなくなる、縁の下の力持ちです。

ケーキクーラー(網)

焼きあがったスポンジケーキやクッキーを、型や天板から出して冷ますための網です。なぜわざわざ網の上で冷ます必要があるのか?それは、蒸気を逃がすためです。

焼き立てのお菓子は、たくさんの蒸気を含んでいます。型や天板の上に乗せたままだと、その蒸気の逃げ場がなくなり、底の部分が湿って水っぽい食感になってしまいます。これを防ぐために、ケーキクーラーの上に乗せて、下からも空気が通るようにしてあげるのです。脚付きで、ある程度の高さがあるものの方が、空気の通り道がしっかりと確保できるので、より効果的です。お菓子を美味しく仕上げるための、最後の重要な一手間ですね。

最後の仕上げに魔法をかける!デコレーション器具

お菓子作りの一番楽しい時間かもしれません。味はもちろん、見た目にもこだわって、世界に一つだけのオリジナルスイーツを完成させましょう。

回転台

ホールケーキにクリームを塗る「ナッペ」という作業や、側面へのデコレーションをする際に、絶大な効果を発揮します。ケーキを乗せた台をスムーズに回転させることができるので、自分はヘラや絞り袋を持ったまま動かずに、均一で美しいデコレーションが可能になります。

これがあるとないとでは、作業効率と仕上がりの美しさが天と地ほど変わると言っても過言ではありません。プラスチック製の安価なものから、プロが使うようなずっしりと重い大理石製のものまでありますが、まずは軽いプラスチック製のものでも十分その効果を実感できるはず。デコレーションケーキに挑戦したいなら、ぜひ手に入れたい器具の一つです。

パレットナイフ

ケーキの上面や側面にクリームを塗ったり、表面を平らにならしたりするための、刃のないナイフです。まっすぐなストレートタイプと、持ち手の部分がクランク状に曲がったL字型タイプがあります。

ストレートタイプは生地を混ぜたり、ボウルから移したりするのにも便利。L字型タイプは、ケーキの上面をならす時に、自分の手がケーキに触れてしまうのを防いでくれるので、特にナッペ作業には欠かせません。刃渡りの長さも様々なので、作るケーキの大きさに合わせて選ぶと良いでしょう。

粉糖ふり

ガトーショコラやチーズケーキ、ティラミスなどの仕上げに、粉糖をふんわりと雪のように振りかけるための道具です。茶こしでも代用は可能ですが、専用のものは網目が非常に細かく、より均一で美しい仕上がりになります。蓋つきのものなら、中に粉糖を入れたまま保管できて便利です。最後の仕上げにサッと一振りするだけで、一気にお店のデザートのような雰囲気を演出できますよ。

あると世界が広がる!ワンランクアップの製菓器具

基本の器具が揃ったら、次は少しステップアップ。必須ではないけれど、持っていると作れるお菓子の幅がぐんと広がったり、難しい作業が簡単になったりする、そんな「あると便利」な器具たちです。

温度計

お菓子作りの中には、温度管理が非常にシビアなものがいくつかあります。代表的なのが、チョコレートの艶出しに必要な「テンパリング」作業。溶かしたチョコレートを決められた温度まで上げ、下げ、また上げるという工程を経ることで、美しい艶と、パキッとした食感が生まれます。この温度管理は、勘や見た目だけではほぼ不可能です。

他にも、イタリアンメレンゲを作る際のシロップの煮詰め具合、揚げ菓子の油の温度など、温度計が活躍する場面は意外と多いもの。直接液体に差し込んで計るスティックタイプや、触れずに表面温度を計れる赤外線タイプなどがあります。より専門的なお菓子に挑戦したくなったら、ぜひ導入を検討してみてください。

タルトストーン(パイウェイト)

タルトやキッシュを作る際、フィリングを詰める前に、まずタルト生地だけを焼く「空焼き」という工程があります。この時、何ものせずに焼くと、生地の底がぷっくりと浮き上がってきてしまいます。それを防ぐために、生地の上にオーブンシートを敷き、その上に乗せる重しのことを「タルトストーン」と呼びます。

専用のセラミック製のものが一般的で、熱伝導が良く、均一に火を通す助けにもなります。乾燥豆や生米などで代用することも可能ですが、何度も繰り返し使える専用品は、一つ持っていると非常に便利です。

ハンドブレンダー

ハンドミキサーが「泡立てる」のが得意なら、ハンドブレンダーは「混ぜる・潰す・砕く」のが得意な器具。先端のアタッチメントを付け替えることで、様々な用途に使えます。お菓子作りでは、フルーツやカボチャなどを滑らかなピュレ状にしたり、スープやスムージーを作ったりするのに大活躍。特に、ポタージュ系のスープを作る際には、鍋に直接入れて使えるので、ミキサーに移し替える手間が省けてとても便利です。

シーラー

作ったクッキーやパウンドケーキを、誰かにプレゼントする機会も多いですよね。そんな時、ラッピングした袋の口を熱でピタッと密閉できるのが「シーラー」です。見た目がお店の商品のようになるだけでなく、湿気や酸化を防ぎ、お菓子の美味しさを長持ちさせる効果も期待できます。手作りの心のこもったお菓子を、最高の状態で相手に届けたい。そんな優しい気持ちを形にしてくれる道具です。

後悔しないために知っておきたい!製菓器具の「選び方」

ここまでたくさんの器具を紹介してきましたが、「じゃあ、結局どうやって選べばいいの?」という声が聞こえてきそうです。ここでは、特定の器具ではなく、製菓器具全般に共通する「選び方の視点」をお伝えします。

「素材」ごとの特徴を理解する

前述の通り、器具の素材はお菓子の仕上がりや使い勝手に大きく影響します。それぞれの長所と短所を理解して、自分の作りたいお菓子や、使い方に合ったものを選びましょう。

  • ステンレス: 丈夫で衛生的。迷ったらコレ、という万能選手。
  • アルミ: 熱伝導率No.1。焼き上がりの均一さを求めるなら。
  • シリコン: 型離れ抜群でお手入れ楽ちん。でも焼き色はつきにくい。
  • ガラス: 匂い移りがなく、レンジやオーブンで使えるものも。重さと割れやすさがネック。
  • 木・竹: 手になじむ温かみ。水分に弱いのでお手入れは丁寧に。

例えば、「とにかくふわふわのシフォンケーキを焼きたい!」という目的なら、熱伝導の良いアルミ製の型が第一候補になる、という具合です。

「作る量」と「収納場所」を考える

ついつい、色々な型や器具を集めたくなってしまいますが、一度冷静になって考えてみましょう。あなたは一度にどれくらいの量のお菓子を作りますか?家族で食べる分?それとも、大勢に配るため?

パウンドケーキ型一つとっても、大きさは様々です。いつも小ぶりなものしか作らないのに、大きな型を持っていても宝の持ち腐れになってしまいます。また、お菓子の型は意外とかさばるもの。キッチンの収納スペースと相談しながら、計画的に揃えていくことが大切です。「大は小を兼ねる」が必ずしも通用しないのが、お菓子の型の難しいところであり、面白いところでもあります。

「お手入れのしやすさ」は意外と重要

お菓子作りは楽しいけれど、後片付けはちょっと面倒…と感じる人も多いはず。だからこそ、器具を選ぶ際には「洗いやすいか」「乾かしやすいか」「清潔に保てるか」という視点を忘れないでください。

例えば、ボウルならフチが巻き込んであるタイプよりも、一枚の板を成形したようなシンプルな作りの方が、汚れが溜まりにくく洗いやすいです。ゴムベラなら、柄とヘラが一体化しているタイプ。泡立て器なら、ワイヤーの付け根がシンプルな構造のもの。こうした小さな差が、日々の使いやすさに繋がり、「また作ろう!」という気持ちを後押ししてくれます。

大切な相棒を長持ちさせる!器具のお手入れと保管方法

正しくお手入れされた器具は、長く使えるだけでなく、次のお菓子作りを成功に導いてくれます。あなたのキッチンにある大切な「相棒」たちを、愛情を込めてメンテナンスしてあげましょう。

基本は「使ったら、すぐ洗う」

これはもう鉄則です。特に、卵や砂糖、小麦粉を使った生地は、時間が経つと乾燥してカチカチに固まってしまい、非常に落としにくくなります。作業が終わったら、すぐに水やお湯につけておくだけでも、後の洗い物が格段に楽になります。ボウルやお鍋は、洗剤で洗う前にゴムベラやカードで汚れをきれいにぬぐっておくと、使うスポンジも汚れにくく、エコにも繋がります。

素材別・お手入れの注意点

  • 金属製の型(ブリキ・鉄など)
    水分が残っていると、すぐに錆びてしまいます。洗った後は布巾で水気をしっかり拭き取り、さらにオーブンの予熱や余熱で軽く温めて、完全に水分を飛ばすのが理想的です。これを「空焼き」と呼び、錆を防ぐと同時に、型の油なじみを良くする効果もあります。
  • シリコン製の器具
    油汚れが残りやすい性質があります。汚れが気になる場合は、お湯に重曹などを溶かしてつけ置きすると、ぬめりが取れてスッキリします。また、他の食器の匂いを吸着しやすいので、保管場所にも少し気を使うと良いでしょう。
  • 木製の器具
    めん棒や木べらなどは、長時間水につけておくのは絶対にNG。水分を吸って変形したり、カビが生えたりする原因になります。使ったらサッと洗い、風通しの良い場所で吊るすなどして、完全に乾かしてからしまいましょう。

スッキリ長持ち!保管のコツ

湿気は製菓器具の大敵です。特に金属製のものは錆びの原因になるので、シンク下などの湿気がこもりやすい場所は避けた方が無難です。風通しの良い棚や引き出しに、種類ごとにまとめて収納しましょう。型などを重ねて収納する場合は、傷を防ぐために間にキッチンペーパーなどを挟むと良いでしょう。使用頻度の高いものを手前に、低いものを奥に置くなど、自分なりに使いやすいルールを決めると、作業効率もアップしますよ。

これでスッキリ!製菓器具に関する「よくある質問」

最後に、多くの人が抱くであろう製菓器具に関する素朴な疑問に、Q&A形式でお答えします!

Q. お菓子作り初心者です。結局、何から揃えればいいですか?

A. まずは「0.1g単位で計れるキッチンスケール」「深めのボウル(2個)」「泡立て器」「ゴムベラ」の4種の神器から揃えることを強くおすすめします。これさえあれば、シンプルなクッキーやマフィンなど、多くのレシピに挑戦できます。その上で、「パウンドケーキが焼きたいな」と思ったらパウンド型を、「デコレーションケーキを作ってみたい!」と思ったら回転台やパレットナイフを、というように、自分の「作りたい!」という気持ちに合わせて、少しずつ買い足していくのが一番です。最初から完璧を目指さなくて大丈夫。道具を集めていく過程も、お菓子作りの楽しみの一つですよ。

Q. 高い器具と安い器具、何が違うんですか?

A. 一概には言えませんが、価格の差は、素材の品質、作りの丁寧さ、設計の工夫などに現れることが多いです。例えば、高価な泡立て器は、柄の握りやすさやワイヤーのしなり具合が絶妙で、疲れにくく、きめ細かい泡が立てられるように設計されています。高価な型は、熱伝導が均一で焼きムラが出にくかったり、耐久性が高かったりします。とはいえ、安価な器具がダメというわけでは全くありません。最近では、100円ショップなどでも驚くほど優秀な製菓器具がたくさん見つかります。大切なのは、「自分がどんなお菓子を、どれくらいの頻度で、どんなレベルで作りたいか」を考えること。全ての道具を高級品で揃える必要はなく、こだわりたいポイントにお金をかけ、他は手頃なもので済ませるなど、賢く使い分けるのがおすすめです。

Q. 型に敷く紙、オーブンシートとクッキングシート、どう使い分ける?

A. どちらも「くっつき防止」という目的は同じですが、大きな違いは「繰り返し使えるか、使い捨てか」です。オーブンシートは洗って何度も使えるので経済的で、厚みがあるため熱あたりが柔らかくなるというメリットがあります。一方、クッキングシートは使い捨てなので衛生的で、手軽です。パウンドケーキ型などの側面に敷き込む際は、箱状に折りやすいクッキングシートの方が便利だったりします。天板に敷いてクッキーを焼くならオーブンシート、型に合わせてカットして使うならクッキングシート、というように、用途によって使い分けるのが賢い方法です。

Q. 型の「空焼き」や「シーズニング」って、やらないとダメ?

A. ブリキや鉄、アルミなど、錆びやすかったり、生地がくっつきやすかったりする金属製の型を初めて使う前に行う「ならし作業」のことですね。汚れを落とした後、オーブンで焼き、油を塗ってさらに焼く、といった工程です。これをすることで、型に油がなじみ、錆びにくく、型離れの良い「育った型」になっていきます。少し手間に感じるかもしれませんが、良い型を長く大切に使っていくためには、ぜひやっておきたい工程です。特に、何も加工されていないブリキ製のカヌレ型などは、この作業が必須となります。型の取扱説明書をよく読んで、指示に従ってくださいね。

まとめ

いかがでしたか?製菓器具と一言でいっても、本当にたくさんの種類があって、それぞれに大切な役割があることがお分かりいただけたでしょうか。

美味しいお菓子を作ることは、パズルのピースを一つひとつ丁寧にはめていく作業に似ています。良い材料、正確なレシピ、そして適切な器具。このどれが欠けても、美しい絵は完成しません。

製菓器具は、あなたのお菓子作りを力強くサポートしてくれる、頼もしいパートナーです。それぞれの道具の個性や役割を深く理解することで、レシピの行間が読めるようになり、作業はもっとスムーズに、そして何より、もっと楽しくなるはずです。

この記事には、特定の商品名は一つも出てきません。でも、この記事で得た知識を携えてお店に行けば、きっと今の自分に本当に必要な、未来の「相棒」を見つけ出すことができるはずです。

さあ、お気に入りの器具を手に取って、甘くて幸せな香りに満ちた、素晴らしいお菓子作りの世界を、心ゆくまで楽しんでくださいね!